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[開業20周年]
医局日誌
〜Doctor's column〜

Episode 14:点滴

入院患者さんはオペを終わると、たいてい毎日朝、夕と点滴をされる。前半、後半にグループがわかれているのだが、引継ぎで強面の患者さんを受け継いだ。とわかったのもその場になってから。
当時新人だった私は、もちろん点滴係り。でも新人は私だけでない。新人A「きよ、俺あの人苦手だから、ちょっと点滴してきてよ。」とか言ってる。「いいよ、でも私失敗したらお願いね。」と念をして点滴セットをもって入室。「○○さん、点滴です。」そこには60すぎのおじさんが横になっていた。

「おう、いいよ~、失敗すんなよ痛いから。」私「・・、はい。」・・・!!全身刺青!腕なんてどんだけでかい絵なのかわかんないくらい柄でいっぱい。私思わず「どれが血管だかわからん・・。」患者「そーだろ!?だからよく失敗されんだよ。失敗すんなよ。」私「・・・。」駆血帯をまく。よ~くながめる。腕をちょっとたたいてみたりして。あ~、このへんのふくらみかぁ?患者「ここ、よく刺すんだよ、だからよく点滴ももれんだよ。」なるほど・・、静脈炎になってるんだな。普通は青あざになるからわかるが・・、全部青いので・・、え~、ど~こにしよう・・。くけつ帯外す。
私「反対の腕にしますね」患者「こっちか利き腕だから○×▲」私「失敗しないためにも!!」強引に右腕ゲット。・・・、柄多すぎ。青すぎ。くけつ帯巻く。よ~く眺める。末梢から中枢へ何度も何度もアルコール綿でこすって・・、患者「早くしろよ」心の中でうるせぇ~~!ふくらみ確認!親指で押さえてひっぱって、え~~~い!患者「いてっ」いいの。そのまま挿入。血液バック確認!成功!!万歳!!!「はい、手の力ぬいて。点滴おわったらコールして下さいね。」終わった!とりあえず終わった!!

さぁ帰宅、いや帰室!患者「いいじゃん、先生でいいよ、これから毎日」えっ~~~~。私がやだ!私「できるだけうかがいますね。」ニコ。こうして私は翌日もそのまた翌日もタトゥーおじさんの点滴をしに入室した。最後にこんな会話も「背中の竜は立派だぞ。みる?」全然結構です!!私「またにします。」結構仲良しになっていた。

-写真はイメージです-

このコラムについて

※2006年に掲載したドクターズコラムを再編集したものです。
※当時の表現を使用しているため、読みづらい部分があるかと思います。

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