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[開業20周年]
医局日誌
〜Doctor's column〜

Episode 34:送迎会

5年も大学病院にいると、何度か送別会にも出席する。たいてい送られる先生は教授から贈り物(餞別)をもらうのだが、ある助手の先生がいた。彼は唇顎口蓋裂を専門にがんばっていた先生だった。色眼鏡をしていたのもあるが、一見すると怖モテの方のようにも見えた。

送別会の挨拶で「私は教授からこんなものをいただきました。万年筆です。これはもっと論文を書け!ということだったのでしょうか?」笑。「当初この話をいただいた時、助教授にならないなら、いかないぞ!とおどしておりました。」笑。
「がしかし、気づいてみると移動しても同じ助手という状態。」・・。「ひとえにこれは、私の論文数の不足にあります。」・・。「それを教授は言葉にせず、この万年筆で伝えてきました。」紳士だ。「なのでみなさん、次は私か?と思われている方は、是非ペーパー(論文)を書きまくって下さい。」笑。実はすごい内容をさらっといってしまうところがカッコいいと思った。よって会は終始和やかだった。論文数。。大学病院とはそういう所だ。すごくいい先生だった。私は好きだった。

お酒の好きな先生で、飲むとべらんめい調になるが、いやみのない先生だった。大学病院は会社とちがう。教授以外はポストに任期がついていて、それ以上は原則いれない。だから人の出入りが激しい。不思議なシステム。潤滑を良くするため、と言っていた。こうして少しづつなじみの顔、先生が消えていった。

-画像はイメージ-

このコラムについて

※2006年に掲載したドクターズコラムを再編集したものです。
※当時の表現を使用しているため、読みづらい部分があるかと思います。

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