Episode 21:フィリピンからの留学生
以前にも留学生達のお話はしたことがあると思うが、フィリピンの留学生、中にはとても偉い先生もいらっしゃるが、すごく優しい。とても腰が低い。愛嬌があるわけではないが(タイ人にまさるものはいない)愛想はいい。目上の人を純粋に尊敬する。日本に留学してきているということは、新米ドクター以外は全員彼らからすると先輩。お茶欲しさに冷蔵庫のある研究室でうろうろしていると、必ず「コーヒー入れます。一緒に飲みましょう。」と言ってくる。
そして例の濃厚カフェを入れてくれる。医局の整理でダンボールを運んでもしていたら、絶対に手伝ってくれる。しかもかなり上のフィリピン人留学生の先生まで。絶対に笑顔つき。そして謙虚。ある日、頭の上から爪の先までアメリカ人な患者が入院してきた。ノージャパニーズ、オールイングリッシュだ。いつもは脇で見学をするようにアシストしていた彼だが、私がつたなぁ~い英語をしゃべったとたん、私の反対側からアシストにつき、流れるような英語で問診しはじめた。一つ終わるごとにカルテに書き込み、「これで大丈夫ですか?」と丁寧に聞き返してきた。
もちろん「はい。」なんせ頭は抜群にいいので。決して偉ぶらない。他のフィリピン留学生の先生も同じだった。彼の机にお国の彼女と一緒に撮ったケーシー姿の写真があった。私が彼女ですか?と尋ねると顔中で微笑みながら「はい、そうです。恥ずかしいですが・・、日本の女性の方が綺麗ですね。」なんて、謙遜しながら答えてくれる。今の日本人にはないなぁ。なんて思ったりした。私はフィリピン人も好きだ。
このコラムについて
※2006年に掲載したドクターズコラムを再編集したものです。
※当時の表現を使用しているため、読みづらい部分があるかと思います。