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医局日誌
〜Doctor's column〜

Episode 5:筋力

この仕事は体力が非常に必要だが合わせて筋力も必要だったりする。麻酔科研修に行った時、全身麻酔をかける私のアシストは、高い確率で麻酔科教授だった。
えらい緊張するが、それ以前に筋力不足がいなめなかった私は、麻酔がかかって意識も力もない患者の頭部(顎)を左手でブレードでおさえながら上げる手が、いつもプルプル震えていた。教授「なんだ、そんなじゃだめだ。挿管の前に筋トレだ!」私「・・、はい。」人の頭って結構重い。

そして翌日。なが~いオペが1例入っている以外、オペがない日だった。その空いているオペ室に、なんと、マネキンが登場していた。麻酔科医局員(若手)が私の筋トレ兼実習を兼ね用意していた。「先生、これ使ってやりましょう、筋トレ。」まじで?今でこそありがたい、と思うが当時はいじめかと思った。「このマネキンの頭、結構重いです。」ずっしり。「きちんとブレード持ててないとあがりませんから。」挑戦的。「僕みてますんで、どうぞ。」・・。「そーじゃなくて、角度つけずに、覗き込まないで。」「上体もっとさげて、舌を押し下げるように」「そーじゃなくて、」以下同文。

気づくと私達の周りには麻酔科の先生だけでなく、口腔外科の先生(自分の医局)までにやにやしながら立っていた。うわぁ~、はずかしい!私の額にはうっすら汗までにじんでる。「左手で固定したらすぐ右手で挿管!」「そうじゃなくて、」以下同文。「先生、それでは一生入りませんから。」きつい!丁寧語だけど。しまいには看護師さんまで・・。いい見世物になりながら筋トレをし、練習をした。といって、翌日から筋肉がつくわけなく、若干角度?はよくなったものの、当然挿管のたびにプルプル腕は震えていた。(そして相変わらずアシストは教授だった。)

-[右の男性]麻酔科の教授 [中央]私-

このコラムについて

※2006年に掲載したドクターズコラムを再編集したものです。
※当時の表現を使用しているため、読みづらい部分があるかと思います。

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