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[開業20周年]
医局日誌
〜Doctor's column〜

Episode 26:秘書さん

医局には二人の秘書さんがいて、一人は教授秘書。もう一人は医局秘書。この二人には相当お世話になった。事務的なことから私的なことまでたっぷりと。特に教授秘書さんにはたんまりお世話になった。教授のご機嫌模様を見てもらったり、医局員情報を教えてもらったり・・。ランチに付き合ってもらったり、悩み事相談にのってもらったり。秘書「先生、今なら教授は機嫌がいいですよ。この後、○○先生が来たらご機嫌斜めになるので、その前に行って下さい!!」とか、「今日は諦めて下さい。教授会議で砕け散ってますから。」とか。

私が教授室の扉の前でもじもじしていると、「先生、私が先生をお通しします、と言ってきますね♪」と言い残され、気づいた時は私一人で教授の前にたっていたりした。長い人生、仕事以外でも非常に辛いことがあったりする。黙って秘書さんの隣に座っていると「生協に行きましょうか?」といいながら医局から連れ出してくれたりもした。何も質問せず、何も話すわけではないのに安心できる人だった。「そろそろ戻った方がいいですよ。」私のしつけもよくできる人だった。なので教授からもかなり気に入られていた。お陰で私も随分助かった。そんな秘書さんが今年の春で引退した。私の実家の近くで旦那さんと一緒にレストランを出した。オープン翌日に訪れた。沢山のお花が届いていた。お店も満席だった。

「お待ちしておりました♪」そうして見渡すと医局員がお客でいた。決して大学病院から近くないのに・・、みんなに愛されていた人だった。私は多くのことを大学病院で学び得たが、得たものの一つに秘書さんがいる。私が開業した当日にもお花を贈ってくれた。私の結婚式では受付をかってでてくれた。いい距離をもちながら助けてくれる人だ。私もそうありたい、と思った。いい上司にめぐり合えた。いい秘書さんにめぐり合えた。楽しい留学生さん達にも会えた。頼もしい看護師さんにも会えた。色々な経験もさせてもらった。いいとこだった。ただし、お金はなかった。あっ、今も同じか(笑)。

-写真はイメージです-

このコラムについて

※2006年に掲載したドクターズコラムを再編集したものです。
※当時の表現を使用しているため、読みづらい部分があるかと思います。

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